TAC公務員 V テキスト13経営学
その他の経営組織を読んだまとめ。
現在の大企業の多くは事業部制組織です。
その理由は、複数の製品事業を営んでいるからです。
ところで、事業部制組織の欠点は、
①同じような部門職能が設けられる資源の重複
②セクショナリズムが生じやすく
事業部をまたがる総合的な製品や新技術対応が難しい
これらの問題を解決するには、どうしたらい
いでしょうか?
①資源の重複の解決には
マトリクス組織
製品別と職能別、製品別と地域別のように
縦と横の二元的な命令系統を同時的に採用した組織。
製品別と 職能別の部門化基準が合わされ
職能毎の綿密な調整で事業部間で経営資源の重複が発生し難い。
デメリットは二つの部門からの2方向からの命令を同時に受け、
指揮命令系統が混乱し権力闘争が起きやすい。
複数の意思決定が必要性で意思決定が遅れやすい。
事業本部制組織
複数の比較的関連性の高い事業部を統括するために設置される。
事業部制組織の修正型であり日本企業で比較的よく導入される。
事業部の規模の拡大で一つの事業部を複数の事業部に分割した場合
複数の事業部に関連する顧客や技術などの共有する部分が大きくなる。
その共有する部分の研究開発費等をどの事業部が持つかなど
問題解決のために事業本部制組織が導入されます。
事業本部では事業本部全体の観点から事業部間の調整を行います。
②セクショナリズムの解決には、
プロジェクトチーム(臨時の組織)
複数の事業部に関連する新製品、新事業の開発や
全社的な経営合理化などの協力が必要な場合編成されます。
各部門から問題解決に適した専門家が集められ
プロジェクトチームを作り円滑なコミュニケーションで
環境変化への柔軟な対応が可能。
プロジェクトの完成で解散し、メンバーは元の部門に
戻ります。
SBU:戦略事業単位
経営環境の変化等で事業部間を跨ぐ、戦略的に重要な事業が生じて
事業部の戦略的方向性を修正しなければならない場合に設けられる。
SBUは、経営者などの下に設け新事業に関する戦略的計画の樹立と
各部門の戦略的調整を行う。
①資源の重複と②セクショナリズムの解決には、
何らかの事業を行いつつ他の会社の株式を保有する
支配権を確立する純粋持株会社に分けられます。
1997年に純粋持ち株会社の設立が解禁とともに
多くの企業が合併や事業の再編成などで純粋持株会社制度を
使用し、迅速かつ円滑な事業再編の進行、より厳格な利益管理などの
目的達成に活用しました。
カンパニー制は、事業部よりも独立性や自律性を高めた組織を
本社のもとに配置する組織形態です。
カンパニーの長に幅広い権限を委譲し素早い市場変化への対応と
利益責任だけでなく資産の管理に関しても責任を負わせます。
分社化
会社の事業部などを本体から切り離して法律上独立した会社にし
速やかな事業の再編成効果を狙います。
ネットワーク組織
ネットワーク組織は、複数の独立した企業が緩やかな形で結合、
自立した対等的な関係を構築し目的に応じて柔軟に結びつき
目的を達成します。従来の企業系列エコ会社関係のような
垂直的関係ではない。
バーチャルコーポレーション
仮想企業のことで複数の個人や企業が提携しビジネスを行い
あたかも一つの企業のようなネットワークを構築している状態を言う。
近年では情報通信技術の発展で遠隔地にある個人や企業が結合し
バーチャルコーポレーションを構築していることがあります。