散歩のすすめ ( ある工場長のひとりごと)

今は、 IT時代。

机にいながら工場の様子が

全部わかる。

スクリーンが何を映しているかって

それは、可動率。

生産ラインが 標準に対して止まらずに

動いているか 表す指標だ。

例えば1時間に30個できる生産ラインが

24個しかできなければ、可動率は80%

20%のロスがあると言うことだ。

監督者や検査、運搬者 等も

ラインがロスなく動けば、手待ちが

なくなるように配置している 。

だから、可動率を見ていれば

全部わかるのだ 。

 

そして、可動率が悪いラインの 管理、

監督者の頭を叩いていれば

私の マネジメントは、それで大丈夫。

例えば、

「君のところ 出来が悪いけど

 君は何を見てる?」 という具合にね。

ほどなくして 私の IT 管理が功を奏して

可動率が軒並み 上昇した。

しかし 新たな問題が、 不思議なことに

可動 率は上昇したが、 利益がちっとも

上がらない。

不思議に思い現場を歩いてみたら

可動率が悪いと怒られるので

基準をいじって可動率だけを上げていたのだ。

工場の責任者である 私は、 それ以降

工場の中を定期的に散歩していると

揶揄されても定期巡回をすることに

したのだ。

ほとんど、歩かずに 舌先三寸で仕事している

私のいい運動にもなるしね。

※この話しは、フィクションです。